看護 2026/02/06
✨訪問看護のひとこま✨
今回は、訪問看護の現場で心に残った、ある家族との出来事を紹介したいと思います。
長い間、病気を抱えて過ごされていたご利用者様がいらっしゃいました。
ご家族様はその日々をずっと支え続け、いつもお兄様のことを心から気にかけておられました。
しかし、亡くなる2~3週間ほど前から、状態が急激に悪化し、意識は徐々に乏しくなり、反応もほとんど見られなくなっていました。
ある日の面会時。
ご家族様に声をおかけすると、少し不安な表情でこう話されました。
「兄に何をしても起きないんです…」
その言葉に寄り添いたい気持ちで、私はお兄様の手を握って名前を呼びかけました。すると「はい!」とはっきりした、力強い返事でした。
後日、ご家族様がお話してくださいました。
「私がどんなに話しかけても、何をしても反応がなかったのに、看護師さんが手を握って名前をよんでくれたら兄が『はい!』と返事をしてくれたんです。あの瞬間が本当に嬉しくて…。最期の姿として心に残って、とても救われた気持ちになりました。どうしてもその気持ちを伝えたくて…。本当にありがとうございました」
その言葉を聴いたときに、私自身も胸がいっぱいになりました。一瞬でも、ご家族様にとって大切な「お兄様らしさ」を感じられたこと。そのお手伝いが少しでも出来ていたのかな?と。
看護という仕事は、単に治療やケアを提供することだけではありません。心のケア、安心感、寄り添うことが何より大切だと感じます。ご家族の想いにも寄り添うこと。
そのことを改めて教えていただいた出来事でした。
改めて、ご家族様のお言葉に感謝申し上げます。そして、私たちの仕事が、少しでも力になれていたのであれば、何より嬉しく思います。